写真の豆知識


今月の豆知識フィルムの変遷の歴史

前回はフィルム(写真術)の起源について書きましたが、今回はフィルムの変遷の歴史をまとめてみたいと思います。

1839、年L・M・ダゲールが銀メッキを施した金属板の表面に直接画像を作るダゲレオタイプを発明し、同時期:1841年にW・H・F・タルボットが紙の表面に画像を作るネガポジ法のカロタイプを発明した。
1848年、J・N・ニエプスは卵白を使った乳剤を塗布する事によりガラス版の表面にネガ像を作る方法を開発した。また、1850年には、ブランカート・エバートも同様に卵白を使った印画紙を開発した。
1851年には、F・S・アーサーがコロジオンを卵白のかわりに使った湿版法を開発した。
1864年、サイスとボルトンは乾燥コロジオンを使った乾板を考案。
1871年、マドックスがゼラチンハロゲン化銀乳剤によるゼラチン乾板を開発。
そして、1872年、H・W・フォーゲルが分光感剤を発明し、写真のカラー化が初まった。

現在の写真法の基となる19世紀中期のこれらの発明は現在でも引き継がれています。

モノクロ写真時代のゼラチン乾板やネガポジ法などは現在も改良されてはいるものの、原理は当時のままといえるでしょう。
そこで、卵白、コロジオン、そしてゼラチンと進化した感剤の事についてもう少し話を進めていきたいと思います。
卵白を利用した感剤は、アスファルト写真により最初の写真術を発明したニエプスの開発しました。この乳剤は、タルボタイプより解像性・コントラスト・焼き付け透明度においてはるかに優れていましたが感度や耐久性の低いものでした。
ブランカートエバーとの開発した卵白を使用した印画紙は、使用の直前に感光性を与えなければいけなかったのですが、プリント用感光材料として19世紀末頃まで使用されました。
F・S・アーサーの開発したコロジウムを使用した湿坂写真法は、コロジオンの性質から感光性を与えてから露光・現像を短時間(約20分)で処理する必要があったが、あらゆる面で卵白より優れており、後20~30年間ガラス板ネガ用(アンブロタイプ)の結合剤に使用された。(金属板使用:フェロタイプ/ティンタイプ)
マドックスが開発したゼラチンハロゲン化銀乳剤は、ゼラチンが乳剤の結合剤として理想的なためフィルムベースや感光能力などの違いはありますが基本的には現在のものと同じです。

◆ ゼラチンのどのような性質が乳剤の結合剤として特性
1. コロイド状である。
2. 乾燥しても無色で曲げることが可能
3. 処理液やハロゲン化銀と反応しない。
4. 令水に溶けず、約10倍の水を吸収する。

以上の特性により画像に影響を与えることなく現像処理を行える事から、現在まで利用されています。


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